F子さんは42才。専業主婦。会社員の夫とはあたらずさわらずの関係を保っている。二人の間にコミュニケーションはない。子どもはいない・・・
F子さんは週末になると、実家を訪ねて、年老いた両親の世話をする。自分では母を好きだと思っていた・・・
しかし、カウンセリングをすると、母を恐れていることに気づいた。幼児期から親に感情表現できなかった。あれダメ、これダメという厳しい母の気持を考えていた・・・
「他人のことばかり考えてきました。愛ではなく、恐怖心から・・・」とポツリと語るF子さん。役所を退職した父とは今でもコミュニケーションがない。
「本当のことを言うのが恐いんです。話せないのに無理して話すから(会話が)芝居になってしまう。生きるとは自分を表現すること。でも、それが出来ない」
F子さんの人生は人に合わせることだった。思ったことを言えば人間関係がこわれるのを恐れていた・・・
F子さんは自分を表現できない人生を生きてきた・・・