2014年2月28日金曜日

仮面ひきこもり(3/5):心の中に隠れた本当の自分

仮面ひきこもりは本当の自分が心の中に隠れている。幼児期に母親から逃げた子供である。カウンセリングでは患者に自分のイラストを描いてもらう。

これは女性が描いた本当の自分。まだ赤ちゃんにもなっていない。母は子供を好きではなかった・・・






次は男性が描いた自分。母は子供に関心のない人だった・・・






以下は男性が描いた本当の自分。彼は自分に頼る母親を助けねばならなかった。絵は牢獄に閉じ込められた自分。自由な子供時代がなかった。






自分が心の中に閉じ込められた患者は「何のために生まれたか分からない感覚」を持つ。自分の人生を生きれないからである。自由を奪われた「本当の自分」は人間と関われない。

しかし、仮面ひきこもりは治療可能である。本当の自分を見つけて、現実世界に戻すと快復する。

快復した患者は異性を愛したり、自分の子供を愛したり、親しい友人を作ることができる。つまり、ふつうの人間の生活ができる。

第三章と四章では治療の仕方を説明した・・・



2014年2月20日木曜日

仮面ひきこもりの出版(2/5):発生のメカニズム

仮面ひきこもりは母の絆の欠落から生まれる病気。イラストは発生のプロセスを描いている。




愛情を示さない母親によって拒絶される赤ちゃん。子供は保護を感じない。・・・





子供は母に思ったことを言えない。本心を言うと嫌われる恐怖がある。母(人)に自分を隠す・・・






仮面をつけながら成長する少女。人を信用できない。人が怖い。そんな自分を見ないようにすると感情はマヒしてゆく・・・







二重人格の完成。誰にも本心を言わない仮面ひきこもり。人は彼女の本当の姿を知らない。

「表の自分は、自分の考え、感情、意見はない。その場がおさまればいい」とは、ある女性患者の言葉・・・

本の第三章は、愛情のない母子関係、自己表現できない家庭環境など、仮面ひきこもりがなぜ起きるのか説明している。


2014年2月17日月曜日

仮面ひきこもり(1/5):2月17日に出版

角川書店より「仮面ひきこもり」が出版された。表紙には「職場では人気者、家ではひきこもり」、「人が信じられないのを笑顔で隠す人たち」という標語。新書は5つの症例から始まる・・・






日本社会に数多く存在する仮面ひきこもり。異性と親しくなれず、自分の子供を好きになれず、人間に安心できない人たち。多くは孤独死を心配する人たち・・・

母から子供に連鎖する仮面ひきこもりは、チェックリストを使いながら病気の特徴を説明している。原因、治療方法、快復者の体験も紹介した。





仮面ひきこもりは文化・伝統と関係している。どの患者も共通する母子関係、家庭環境、子供時代があり、明らかに日本文化の影響がある。

文化病である仮面ひきこもりは、日本社会に大きな影響を与えている。非婚化、人口減少、愛情のない結婚は仮面ひきこもりと関係している。

日本人はこれから「子孫を残すグループ」と「子孫を残さないグループ」に二極化するだろう。これは日本人にとって避けて通れない問題・・・

「仮面ひきこもり」はその問題解決の方向を示してる・・・


2014年2月14日金曜日

グループセラピー(4/4):鎖を解き放つ主

グループ・セラピー参加者の半分以上は悪霊の存在を体験している。

心の中に入った悪霊は「お前はダメな奴」などの否定的な考えで苦しめる。「人に迷惑をかけてる」などの罪悪感で悩ますのはお決まりのパターン。「お前は嫌われている」、「人に気を許すな」と人間から孤立させるのは、悪霊が最も好むやり方だ。悪霊に操られた人はこれが自分の考えだと思いこんでいた。

悪霊は感情もコントロールする。自分の感情と思っていたら悪霊のダマしだった。ある参加者は「人を妬むのは自分が悪いと思っていた。でも、自分でも嫌になる気持は悪霊のせいだった」という・・・

悪霊に気づいた患者はニール・アンダーソンの「鎖を解き放つ主」を読んでいる。





これはクリスチャンのための本だが、悪霊に気づいた日本人ならば、アメリカ人クリスチャンの悪霊体験を理解できる。

本書は、悪霊のダマし方や影響が詳しく説明してある。頭の中で声が聞こえたり、自分を繰り返し責めたり、あるいは自分とは思えない考えが浮かんだり、体が固くなったりするのは、悪霊の影響が多い。

グループ・セラピーの目的の一つは、参加者に悪霊について知ってもらうことである。他の人の悪霊体験を知ると、信じていない参加者は悪霊への予備知識を身につけることができる。そうした人は、悪霊と戦うために「鎖を解き放つ主」が不可欠な武器となる。

アメリカで130万部以上売れた「鎖を解き放つ主」。クリスチャンでない日本人が悪霊の存在に気づいたら、本書は大きな意味をもつだろう。


2014年2月12日水曜日

グループセラピー(3/4):悪霊について

グループセラピーでは悪霊が話題になる。参加者の多くが悪霊に悩まされているからだ・・・

悪霊とは、患者の心に入り込み、ダマしたり、責めたりする霊的な人格のこと。キリスト教の聖書では悪魔、サタン、デビルという名前で呼ばれている。

多くの仮面ひきこもりは幼児期に悪霊を受入れた。母と絆のない幼児が寂しかったり、苦しい体験をした時に、悪霊がやさしく近づいた。

「僕はいつも君の側にいるよ」、「俺はお前を一人にはしない」は、寂しい子どもをダマす決り文句だ。子どもはその言葉を信じて悪霊を受入れてしまう・・・





人間の不幸を喜ぶ悪霊は、本人をダマして、生活を破壊する。一度入り込むと、心の奥に住みつき、まるでガン細胞のように生活を蝕み、その人を巧妙に苦しめる。・・・

お前は価値が無い、誰もお前を愛していない、お前は皆に嫌われている、何をやってもムダだ、どうせうまくいかない、世間はお前が変だと思っている、人を信じてはいけない・・・

こうした考えは悪霊が与えるものである。しかし、カウンセリングで悪霊の存在に気づくと、患者は自分と悪霊の区別をつけられるようになる。

これは悪霊の声だ、悪霊の考えだ、悪霊が人間関係を邪魔している、自分に人間への恐怖心を与えている、自分を追いつめて自殺させようとしている・・・

こうした認識は患者を目覚めさせて、悪霊の支配と戦う力を与えてくれる。

仮面ひきこもりの快復者が悪霊から自由になった話をすると、グループの参加者たちは勇気を得る。悪霊をむやみと怖がる必要はない。彼らは存在に気づかれると力を失うのだ・・・

悪霊から自由になるには神の助けを必要となる。クリスチャンであるなしにかかわらず、患者は祈りと聖書を必要とする。

悪霊の問題を詳しく述べた、ニール・アンダーソンの「鎖を解き放つ主」は必読書である。




2014年2月5日水曜日

グループセラピー(2/4):心の中の母が語る

仮面ひきこもりのグループセラピーでは参加者の心の中の母親が現われて話をする・・・

心の中の母親は本人とは別の人格状態のこと。幼児期に患者の心に入り込んだ母のイメージである。

ある男性の母親は幼女になり、親が恐くて本当のことを言えなかったと、涙を流して語る。彼女は感じたことを言うと見捨てられると思い込んでいた。でも、参加者が話を聞いてくれたと喜んだ・・・

別の母親は、嫁いだら周りは敵ばかり、夫の兄弟、姑、家事をするのが当然の世界だったという。夫はアテにならない。でも、自分の子供(クライアントのこと)だけが受入れてくれた。誰にも愛されない母にとって、子どもだけが自分を愛する人間だった・・・





さらに別の母親はあの子を育てるのは大変だったと不満を語る。本当は生みたくなかった、あの子は可愛くなかった、いなくなって欲しかったと本音を語る・・・

参加者は心の中の母が話しても驚かない。自分の心の中にも同じ様な母親がいるからだ。

母たちの話を聞いて、参加者は仮面ひきこもりは母に心を支配される病気だと理解する。そして、母親の癒しが病気を治すと気づく・・・

グループセラピーは心の中の母親にとって大切な時間である。母親がグループで発言すると「自分が人間に認められた」と感じるからだ。

グループセラピーでクライアントの別の人格が話をするのは、カウンセリングの世界では珍しいことである。この現象は仮面ひきこもりが解離性の病気であることを示している。