2014年3月29日土曜日

愛なき世界(4/5):子供をコントロールする親たち

仮面ひきこもり患者の親は子供をコントロールする人が多い。彼らは子供の独立を嫌がる。成人した子供の人生をコントロールする・・・



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  • 父親は子供が自信をもつのを嫌う。子供が成功しても誉めないし、お前はまだ未熟とけなす。子供が自分より下にいてほしい、父を尊敬してほしい。父親には本当の自信がない・・・




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  • 母親が子供の自立を嫌う。成人した子供の考えを否定する。子供が決めると口出しする。経済的な援助をして子供の自立心を奪うのは、よくあるパターン。背後にあるのは「お前は一人では生きれない」というメッセージ・・・


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  • 母は子供が異性と親しくなるのを嫌う。子供が選んだ異性を拒絶する、あるいは子供の結婚を管理する。背後にあるのは夫への不満・・・

子供が異性と親しくなると親は不安になる。子供が独立すると自分が一人ぼっちになるからだ。

子供の自立を喜べない親は子供の幸福を考えていない。子供が自分の人生を歩けないように縛る・・・



2014年3月26日水曜日

愛なき世界(3/5):異性を愛せない

仮面ひきこもりは恋愛が苦手である。異性に自分を表現できないから親しくなれない。異性といると緊張する・・・

簡単にセックスする人がいるが、心のつながりは決して生まれない。もともと相手を信用していないからだ・・・

「デートが辛い」から最初から異性に近づかない人もいる。代わりになるのはポルノとマスターベーション。彼らはまるで「愛などいらぬ」と言っているようだ・・・



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仮面ひきこもりは異性をうまく愛せない。愛された体験がないから愛し方が分からない。そして、「自分は愛されるはずがない」と思い込んでいる。

周りを見ると、自分の問題を見ないで独身のままでいる人がとても多い。

35歳を過ぎてからカウンセリングを受ける仮面ひきこもりが多い。この年齢になって「自分は恋愛できない」と気づくのだ。

仮面ひきこもりは治せるので、20代にカウンセリングを受けたらいいと、私はいつも思う・・・


2014年3月25日火曜日

愛なき世界(2/5):愛情に飢えた母

患者の母親は、親の愛を知らず、夫の愛も感じない。そして、信頼できる友人もいない。母親は誰かに愛された体験がない。

愛に飢えた母親は子供に愛情を求める・・・

女の子の場合、母は娘がいつも側にいて、言う通りに行動することを望む。母から得られなかった愛情を娘に求めるためである・・・





男の子の場合、母は息子に自分を守ってほしいと思う。息子が夫代わりとなり、寂しさを満たしてほしいからだ。母は夫から得られなかった愛情を息子に求める・・・

依存する母は子供の自立を嫌う。子供が自由に生きたり、異性と親しくなると、自分が一人ぼっちになるからだ。

子供は母の依存で身動きがとれなくなる。愛に飢えた母が子供の人生を奪う・・・


2014年3月24日月曜日

愛なき世界(1/5):世代連鎖

仮面ひきこもりの患者は母に愛されない生育歴がある。悲しいが、これは現実である・・・

カウンセリングでは、母親が自分の子供を拒絶する話が聞かれる。親に愛されなかった母親は、自分の子供を可愛がることが難しいのだ。母親は夫にも愛されていないと感じている。



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孤独な母親は愛のない結婚の犠牲者である。母親の背後には、しばしば家制度、嫁姑の関係、あるいは妻を守らない夫が隠れている。母親を愛して、サポートする人間がいない。愛情に飢えた母は子供に愛を求める・・・

人は愛されないと愛せない。仮面ひきこもりは母から子供に世代連鎖する病気である。

2014年3月13日木曜日

仮面ひきこもり(5/5):子孫を残せない病気

日本は見合い結婚が無くなり、欧米のような恋愛結婚社会に変わった。日本人は誰もが恋愛を通して結婚する時代にいる。



第13回出生動向基本調査(2005年)/国立社会保障・人口問題研究所



この社会変化の中で仮面ひきこもりの結婚が難しくなった。見合い結婚がなくなったからだ。彼らは自力では異性と親しくなるのが難しい。

恋愛結婚はロマンチックなようだが、仮面ひきこもりは恋愛が難しい。表には見えないが、対人恐怖と人間不信があるからだ・・・

社会的ひきこもりも、仮面ひきこもりも、結婚できない問題を抱えている。ひきこもりは働かない病気ではなく、子孫を残せない病気である。




日本社会は今後、結婚できる日本人と、できない日本人に二極化する。それは未婚者の増加という目に見える形になる・・・





日本という国は、ひきこもりを治すしかない状況に置かれている。



2014年3月10日月曜日

仮面ひきこもり(4/5):本当の自分を探す

ひきこもりセラピーは心の奥に隠れた本当の自分を探す。これがカウンセリングのやり方だ。本当の自分が見つかるまでには、色んなインナーチャイルドが現れてくる。

インナーチャイルドはタマネギの皮をむくようなもので、一つ現れると次のインナーチャイルドが現れるきっかけとなる。以下の絵は一人の男性患者が描いたもの。インナーチャイルドの変化の流れが見える。







最初に見つかったのはセラピストの様子を伺う子供だった。人間を信用しておらず、恐るおそる見ている。患者は人を恐れていることに気づいた・・・







次に見つかったのは、母に怒りをもつ子供。患者は、自分のことしか考えない母に怒っていたのに気づく。







すっかり混乱して、自分の気持ちが分からなくなった子供。母親は気分で言うことが変わる人だったと、患者は語る。






母から逃げた子供。闇の中に一人ぼっちでいる。体育座りはよくあるイメージだ。人を信じていない・・・





本当の自分は、生まれてすぐに母親から逃げた赤ちゃんだった。ここまで来るのにこれだけの「タマネギの皮」を剥かねばならなかった。

本当の自分は、人が怖くて、殻の中に隠れていた。「本当の自分は一人ぼっち。周りに人がいてもつながれなかった」と、彼は人と親しくなれない理由を理解した。

本当の自分」が現実世界に戻ると、彼は自由になった。快復とは、人を愛せる生活を始めること。彼はこう語る・・・

私はセラピーを終えて異性を好きになった。人を好きになるということはこんなにも嬉しくて、喜びに満ちているなんて知らなかった。家族をもてる確信が、私の未来をきらきら輝かせてくれる。私のこの経験は正直言って奇跡に近い感覚だ(仮面ひきこもり、p194)