2013年8月25日日曜日

仮面ひきこもり(4/6)結婚できない/子育てできない不安


D子さんは32才。独身の公務員。職場の人気者。

D子さんは場を盛り上げるのがうまい。飲み会にはいつもさそわれる。しかし、素顔はその逆である。笑顔は対人恐怖を隠す仮面だった。

明るい印象のD子さんは男性によく誘われる。しかし、男性といると緊張して、デートの後でドッと疲れるのだった。同じ男性に何度も会うのは辛かった・・・


http://www.8kekkon.com/archives/0006/0102/index.php























D子さんに興味をもつ男性は多い。しかし、D子さんを本当に理解する男性はいなかった。男性と一緒にいると孤独を感じるD子さん。異性と親しくなれないので結婚は難しいと感じている。

D子さんは子どもが生まれたら虐待する不安がある。スーパーマーケットで、子どものワガママやだだをこねる様子を目にするとイライラするのだ。はしゃぐ子どもを見ると、「お前、殺してやろうか」といる気持さえわいてくる。

そんな自分が子どもをもつのは恐い。昔からこの問題を見ないようにしてきた。でも、32才という年齢が自分に結婚を強いている。



2013年8月18日日曜日

仮面ひきこもり(3/6)孤独死の不安


Cさんは33才。男性。独身。製薬会社の研究員。地味な仕事なのでコツコツ頑張るCさんは職場で信頼されている。

Cさんは孤独死を恐れている。一人暮らしのCさんは友だちがおらず、休日はインターネットにあけくれる。一日中何も食べずにコンピューターの前に座る自分に気づくとはっと我に返る。


写真
http://tanakaryusaku.seesaa.net/article/159008485.html


他の趣味を見つけようとしたが、正直言って、インターネット以外の楽しみを知らない。なぜか余計なことをするのが恐い。時々、自分はこのまま一人で死ぬかもしれない不安がよぎる・・・

子どもの頃から一人ボッチだった。大学卒業後に家を出たが、恋人はできなかった。女性といると緊張して何を話していいか分からなくなる。子どもの頃から人間関係が苦手だったCさん。自分は結婚できないかもしれないと感じる。

家族が嫌いなので実家には帰らない。しかし、友だちはいない、恋人もできない、結婚もできない。自分はまるで穴に隠れた動物のようである・・・

Cさんは、自分の人生の末路は孤独死しか思いつかなかった。



2013年8月11日日曜日

仮面ひきこもり(2/6)子どもを愛せない母親


B子さんは34才。3才の男の子の母親。専業主婦。見合い結婚。家は結婚した時に両親に建ててもらったが、夫とはしっくりいかない。会社員の夫は子育てに協力しない・・・

来年は子どもの幼稚園なので悩んでいる。他のお母さんたちとうまくやれるか、B子さんは考えるだけでおっくうになる・・・

B子さんは子どもが嫌いである。息子がはしゃぐとイライラする。ワガママを言うと腹がたつ。子どもが無理な要求をすると無視をする。


http://www.ab.auone-net.jp/~co-mirai/kosodatereality.html


子どもが近寄ってきて体に触わるとゾッとする。お母さんと呼ばないで、私に触らないでと心の中で叫んでしまう。私だって大変なのに、これ以上何を要求するんだ。子どもって本当にうっとおしい・・・

B子さんは、子どもへの嫌悪感を見ないために、必死になって世話をする。食べ物は添加物がはいってない材料を選ぶ。風邪をひかないように注意をする。子どもが怪我をしないように監視する・・・

世間に批判されない子どもにしつけねばならない。だからこそ子どもが言うことを聞かないとハラが立つ。

こんなに一生懸命やっているのに子どもには何も通じない。B子さんは、意のままにならない子どもを可愛いと思えない・・・


2013年8月2日金曜日

仮面ひきこもり(1/6)自殺願望に悩まされるエリート社員。


仮面ひきこもりとは潜在的ひきこもりの別名である。分かりやすい用語なので使うことにした。具体例を紹介しよう。ケースはプライバシー保護のために修正してあるので、念のため・・・

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Aさんは31才、男性、独身、旧財閥系の鉄鋼会社に勤務。優秀な営業マンである。上司の信頼があつく、周りからは出世コースを歩くエリートと見られている。

Aさんは、朝のプラットホームに電車が入ってくると、体が勝手に動いて飛び込もうとした時がある。休日になってマンションから下を見ていると、ベランダの手すりを越えて、飛び降りようとする自分に気がついた。

最近、こんな状態が続いている。しかし、自分では死にたい理由は思いつかない。自分はどこかおかしいと、あれこれ考える彼は「ひきこもりと家族トラウマ」を読んでから、自分には社会的ひきこもりと同じ親子関係の弱さがあると気づいた・・・


http://jbbs.livedoor.jp/computer/30691/


Aさんは、親と気持のつながりのない家庭で育てられた。彼は母親を「冷たく、ズルイ人。自分のことしか考えない」という。母は子供を愛する人ではなかった。

同じ会社の重役である父親は子どもとはコミュニケーションがなかった。Aさんが意見を言うと、「えらそうなことを言うな」、「生意気だ」と怒鳴るような人だった。親には余計なことを言うまいと子供の頃に決心した。

カウンセリングをすると、Aさんは人に頼まれるとノーが言えず、人間関係に疲れているのが分かった。どこにも居場所がない感覚は子どもの頃からある。

誰にも理解されないAさん。「自分はいつのまにか、親好みの子どもになったと思う。素のままの自分では生きれなかったから」と語る・・・