2013年7月22日月曜日

グループセラピー2013(2)感情的近親姦(2/2)

クライアント達が苦しむのは母による感情的近親姦である・・・

感情的近親姦とは、親が子どもを夫代わりにしたり、親代わりにする児童虐待を指している。被害者は幼児期から、母の夫役をしたり、母の母親役をさせられる。

息子は夫役をさせられるケースが多い。母から父のグチを聞き、父の代わりに母を助けて、いざとなると母を守らねばならない。母は父をアテにしていない。

そんな息子に恋人ができると母はしっとする。若い女性に夫代わりの息子を取られたと感じるからだ・・・

娘は母親役をやらされるケースが多い。母から父のグチを聞き、父の代わりに母を助けて、困ったら母を守らねばならない。母は自分の母から愛されなかった。夫とは不仲である。その母親の甘えたい気持を娘が満たしてあげねばならない。

そんな娘が自立すると母は娘に捨てられるように感じる。また、娘に恋人ができると、男性が母代わりの娘を奪うような気持になる。





感情的近親姦の被害者は母によって子ども時代を奪われてしまう。ひきこもりクライアントは、自分の人生を生きることができず、母のための人生を生きる。だから、彼らは「俺(私)の人生を返せ」と叫ぶのである。

感情的近親姦する母親は、子どもが自分の所有物だと思っている。自分が産んだからどうしようと私の勝手、子どもに勝手な真似はさせない、私の気持を分かって欲しいと無意識に考えている・・・

そんな母親は、子どもが自由に行動すると、自分の意志が無視されたと感じる。子どもが自由に生きたり、幸せな結婚生活をすると、自分が惨めになり、一人ボッチになったと感じる・・・


しかし、これは世代連鎖である。母親も同じことを自分の母親にされたのである。

グループセラピーの話題は母に苦しめられた体験談ばかりだった・・・



2013年7月12日金曜日

グループセラピ−2013(2)自由がない母親(1/2)

7月6日(土)にグループセラピー。参加者15名(潜在的ひきこもり13名、社会的ひきこもり1名、その他1名)。

グループセラピーは9時から3時半まで。しかし、ほとんどの人が7時まで残り、お互いに語り合っていた・・・

参加者は、世間が理解しない母の問題に悩む人ばかり。何を言っても理解してくれる仲間たち。自分の気持を話すうちに泣き出す人がたくさんいる・・・

母に愛されなかった、母が恐かった、母のグチばかり聞いた、母の側にいて苦しかった、母は私を利用したと訴えるクライアントたち・・・

母親は建前では「子どもが可愛い」という。でも、本音では自分のことで精一杯、子どものことを考える余裕はない・・・






クライアントの母親は孤独な子ども時代を送っている。誰にも愛されず、誰にも認められず、誰にも誉められたことがない。「家族」と呼ばれる孤独な集団で育てられ、結婚して、母となった女性たち・・・

母は世間の流れで結婚して子どもを産んだ。夫には何も通じない、アテにできない、そんな夫の子どもを産まねばならなかった。子育てとは一人でやるべきこと、嫌でもやるべきこと。生きるとは自由がない人生を覚悟すること。ガマンすること・・・

孤立無援の母は子どもに無意識に依存する。子どもだけは私の味方、子どもだけは私の気持を分かってくれる、子どもだけは私を助けてくれる・・・

しかし、その子どもが言う事を聞かないと腹がたつ。母から見ると子どもは恵まれている。母が持てない自由を持っている。そんな子どもが幸福になると惨めな気持になる。置き去りにされたような気持になる・・・

世間の流れに乗ろうと決めた時から自由は一番見たくないものになった。

母には自由がない、居場所がない、誰かに愛されたい・・・


2013年7月8日月曜日

英語のホームページ

英語のホームページ "Hikikomori & Japan" を開いた。構想2年後にやっと完成・・・

Hikikomoriという言葉はオックスフォード英英辞典に記載されている。ハラキリやスシと同じように、「ヒキコモリ」は日本を起源とする英語になった。このHPは英語圏の人たちにひきこもりを説明するが目的・・・


By the beginning of 2000, the syndrome had been spreading at almost epidemic proportions. Psychiatrist Tamaki Saito, who coined the term, estimated there may be over one million hikikomoris, about 1% of the total population of Japan. In 2010 the government stated officially over 1.5 million people suffering the syndrome one way or another.

Without effective treatments, the number is still climbing.


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http://blog.livedoor.jp/zzcj/archives/51700458.html


国外でひきこもりへの関心が広がっている。外国人は、何年も人を避けるひきこもりを心の病気と見ている。彼らの理解は、日本では「怠け者」扱いされる社会的ひきこもりの救いになると、私は期待している・・・

英語のホームページは http://hikikomorijapan.com/en/, あるいは狭山心理研究所のホームページで「英語のホームページ」をクリックするとアクセスできる。

2013年7月1日月曜日

厳しい父あるいは子どもに甘える父?

日曜日に入間サイクリングロード(川越狭山自転車道路)を散歩。曇っていたが、入間川沿いの運動場は野球とサッカーをする人たちで一杯だった・・・





近くの芝生で父親が息子にノック打ちしていた。見ると、中学生くらいの子どもにはかなり強い球だ。

私と妻が、サイクリングロードの川越の終点まで歩いて一時間後に戻ってくると、二人は同じ場所にいた。






木陰でお弁当を広げる私たち。その間父子は、練習、練習、また練習。まったく休憩なし。男の子は水も飲んでいない・・・

父親は必死にボールを打ち、男の子は必死にボールを追いかける。父親は立ってるだけだが、走り回る男の子は疲れきってた。もう二時間になるだろうか。しかし、父親は息子の疲れは眼中にないようだ・・・

食べながら見ていると、私たちは父親の口の悪さにビックリした。「何度言ったら分かるんだよ。お前は」、「何やってんだよ。もっと腰を落とせと言ったろう。お前は何を聞いてんだよ」。まるでヤクザ言葉である・・・

父親は、息子の細かいミスを見つけては、非難の言葉をあびせる。誉め言葉は一言も言わない。父親には失敗したら殴るような迫力があった。男の子はひどく緊張している・・・

「お前が学校の練習でちゃんとやれないから、俺が練習のための練習をしてるんだぞ。お前は一体何を考えているんだよ。お前を見ていると嫌になるよ」。アメリカならば児童虐待になる場面である。

球拾いで近づく親子はお互いに口をきかない。父も黙り、息子も黙る。男の子は父親の側にいてどんな気持になるのか・・・

父親は40代後半の会社員風。無口で真面目そうなタイプ。会社ではこんな態度を取らないはずだ。息子だからこそ「大柄な態度」になっている。

父親は、特訓のつもりだが、実際は文句を言えない息子にイライラをぶつけているだけだった。

子どもに甘えてストレス発散する親が多いと思う・・・