2012年11月30日金曜日

潜在的ひきこもり(11)女性と親しくなれない男性

潜在的ひきこもりは恋愛できない人が多いと説明した(10月31日)。今回は、女性と親しくなれない男性を紹介しよう。




女性が苦手なAさん




Aさんは独身の潜在的ひきこもり。容姿も学歴も良いのに、若い女性と親しくなれない。どんなに頑張っても、なぜか、好意をもたれない。



Aさんは優しくするが、中の子どもは女性に緊張している。



Aさんには、人が恐い中の子が隠れている。子どもは、女性とどう接して良いか分からず、緊張している。





女性はAさんに愛されてるとは感じない・・・・



Aさんは好かれる努力をするが、女性は拒絶されたように感じて、やがて離れてゆく。中の子は女性と親しくなれないのだ。



Bさんの表人格は女性を喜ばすのがうまい。




Bさんの場合は逆である。演技のうまい表人格がいて、相手に上手く合わせるので、女性はBさんを好きになる。



Bさんの中の子どもは女性が嫌い。女性は全く気づいていない。



でも、Bさんの中の子どもは甘えてくる女性が恐くて、一緒にいると疲れてくる。



女性はBさんと一緒にいて楽しいが・・・・



Bさんが本心を隠すので、女性は中の子の気持ちを全く理解していない。彼女は中の子の存在を認識していない。



ガマンできなくなって女性から逃げるBさん。



Bさんはやがて、女性と一緒にいるストレスが重なり、突然去ってしまう。



女性はなぜBさんが去ったのか分からない・・・



女性は急に態度を変えたBさんにビックリ・・・・Bさんと親しいと思っていたのだ。サービスがうまいBさんは、太宰治の「人間失格」の主人公・大庭葉蔵と似たタイプ。相手を喜ばして対人恐怖を隠すのである。 





自分の感情が分からないCさん。





Cさんは自分というものがない。自分の感情がよく分からないし、女性といても何を話して良いか分からない。



女性はCさんといると不安になってくる・・・・





女性は、Cさんが何を考えているか分からず、一緒にいても愛情を感じないので、去ってゆく。Cさんは良い人だが、男らしさが欠けており、頼りない感じがする。








Cさんのようなタイプは、セラピストが心の奥を探ると・・・・








赤ちゃんが見つかるが・・・・









大抵は眠ったままである。




仕事に打ち込んで悩みを忘れる男たち・・・・




Aさん、Bさん、Cさんは女性と親しくなれない潜在的ひきこもりである。彼らは仕事に打ち込んだり、





男同士で飲んだり、遊んだり、騒いだり・・・・



いつも男同士で遊んだり・・・・








TVゲームばかりして・・・・






でも、彼らは女性と親しくなれない問題から逃げている。




「女性と関われない問題」を見ないようにする。




僕は結婚できないのだろうか・・・・




そんな男性が、「自分はどこかおかしい。このままでは結婚できないかもしれない」と不安になるのは、35才を過ぎてからである。




女性に興味をもつ中の子ども




これに対して、健康な男性は中の子どもが女性を恐れていない・・・・




愛される女性は男性を好きになる




子どもが女性を好きになると、女性も男性に好意をもち、二人はいつも一緒にいたいと願う。それが結婚という形になる。




女性と親しくなる健康な男性、親しくなれないひきこもり男性


しかし、人が恐いひきこもりは女性とコミュニケーションできず、男女交際は苦痛でさえある。

潜在的ひきこもりの男性クライアントが「女性と親しくなれない」、「男女交際が辛い」、「このままでは結婚できない」と感じる割合は100%である。

日本はヨーロッパやアメリカのような恋愛結婚社会に変化している。こうした社会では、男性は女性と親しくならないと結婚できない。

潜在的ひきこもりが多い日本では、その変化に適応できずに、結婚できない男性が増えている。





2012年11月28日水曜日

潜在的ひきこもり(10)見捨てられ恐怖を与える母親

社会的ひきこもりも含めて、多くのひきこもりは家の外に出された幼児体験がある。







子どもが言う事を聞かなかったり、ワガママを言ったりすると、母親が怒って・・・・・・



外に出された子どもは捨てられる恐怖を感じる



罰として家の外に出すのである。




お母さん、家に入れて・・・




母親は子どもが泣いても家に入れない。





恐いよ・・・・




真っ暗な夜に外に出される子どももいる。そして、家だけでなく・・・・




買物してる時に言うことを聞かない子にイライラする母親・・・



スーパー・マーケットなどに行くと、子どもに見捨てられ恐怖を与える母親をよく見かける。



お前なんか知らないよ・・・




言うことを聞かない子どもに対して、「もう、置いてくよ」、「お母さんは知らないよ」、「バイバイ」と離れてゆく・・・・




お母さん、待って、行かないで・・・




置き去りにされた子どもは必死に母を追いかける。

家の外に出すのも、置き去りにするのも、子どもを服従させるためである。しかし、子どもはこの体験から見捨てられ恐怖を学ぶ。いざとなると母親は自分を守ってくれないと感じるのである。





捨てられる恐怖



人間(母)を怒らせると捨てられる恐怖・・・




顔色を伺う子ども


嫌われるのを怖がる子どもは、人に緊張したり、大人の顔色を伺うクセがついたりする。




母に思った事を言えない子ども


潜在的引きこもりが、自由な自己表現をできないのは、見捨てられ恐怖のためである。

見捨てられ恐怖は「親が子どもを守らないと感じる体験」から生まれる。親と健全な絆がある人にはこの恐怖がない。





2012年11月19日月曜日

エバンストンの多重人格の勉強会

シカゴの北にあるエバンストンでは多重人格の勉強会が定期的に開かれている。



エバンストンのダウンタウン


11月1日、私はそこに出席した。エバンストンはノースウェスタン大学がある街でホーランドから車で3時間半くらい・・・・




ノースウェスタン大学



金曜日の朝、大学近くのエバンストン図書館の会議室に11人のセラピストが集まった。参加者は全員が国際トラウマ・解離研究学会 (International Society for the Study of Trauma and Dissociation) のメンバーである。




エバンストン図書館



私は1995年からのメンバーで、日本から来たと言うと、皆が歓迎してくれた。男性は私たち二人だけで、残りは女性セラピストだった。




ホテル前の歩道




やがて、セラピストたちの議論や症例報告が始まった。黙って聞いていると、「交代人格同士のコミュニケーションをもっと改善した方がいい」、「後ろに別の人格が隠れていると思う」、「虐待の記憶を隠している人格がいるはずだ」などという会話が耳に入る。




古い街並



これは、多重人格を見たことがない人には理解しにくい内容である。一人の人間が複数の人格状態をもつ多重人格は、経験と予備知識がないと、専門家でも理解は難しい。




教会


話が一通り終わると、皆が私に関心を向けるようになり、日本にはどんな病気があるのかと質問したので、私は社会的ひきこもりについて話した。








日本には社会に参加しない人たちがいて、日本政府は社会的ひきこもりが70万人、その予備軍が150万人いると認めていると説明・・・・






社会的ひきこもりは部屋に何年も閉じこもり、家族や友人とも口をきかないと言うと、彼らはうまく理解できなかった。そんな症例を見たことがないのだ。

今までに、他の専門家にも話したことがあるが、彼らの反応も同じである。対人恐怖を知らないアメリカの専門家はひきこもりという現象がピンとこないようだ。




ノースウェスタン大学の一角



しかし、私は、アメリカの多重人格の専門家はひきこもりを理解できると考えている。アタッチメント・トラウマと人格の解離から生まれる症候群として見ると、人間不信や何年も部屋に閉じこもる行動を説明できる。私自身、多重人格の治療体験があるからこそ、ひきこもりを理解できた。




帰りの寒い空



もし日本政府が、国際トラウマ・解離研究学会 (International Society for the Study of Trauma and Dissociation) に研究資金を提供すれば、多重人格の専門家たちがひきこもりの原因を見つけてくれるはずだ。



シカゴ・ピザ。中はチーズがたっぷり。





調査に基づいたデータがあれば、増え続けるひきこもりを防ぐ手段と治療法が見つかる。しかし、日本政府の資金援助への道は限りなく遠く見える・・・・




残りのビザを抱えてホテルに帰る筆者




話は変わるが、シカゴ・ピザはとてもおいしかった。クラストにチーズがたっぷり入って、ちょっとしつこいが、シカゴへ行くチャンスがあれば試すといい。チーズが好きな人にはおすすめ。





2012年11月18日日曜日

帰国


11月15日に帰国した。シカゴからの長いフライトを終えると、日本には夕闇が迫っていた。



シカゴからの飛行、ご苦労さん。



入国審査への道



いつものように入国審査室へ向ったが・・・・




複雑な気持ち・・・



「ようこそ日本へ」の看板を見ると複雑な気持ちになった。のんきなことを言ってるが、日本は激動の時代ではないのか・・・・




第二ターミナル到着ロビー前



外に出ると暗くなっていた。日本は、のんびりしたミシガン州とは社会の温度差が違う。どこかに暗い雰囲気が流れている・・・・




神秘的に見えるロビー前の歩道橋



これからどんな体験をするだろうか・・・・ 12月16日まで日本に滞在する。




2012年11月12日月曜日

ホーランド・アルプス


コーレンパークに行くと、ホーランド富士(8月1日に記載)がホーランド・アルプスに変わっていた。


3ヶ月前はホーランド富士


今はホーランド・アルプス






近くに行ってみると・・・・





いつもの様に、貨物船が大量の砂利を降ろしていた。



やっと砂利を降ろしたところ・・・




近所の人の話によると、砂利は来年の春の道路工事に使うそうだ。





波止場を離れる貨物船



冬の間はマカタワ湾が凍結するので船は入れない。これが今年最後の砂利の積み降ろしとなる。ホーランドはこれから長い冬に入る。