11月1日、私はそこに出席した。エバンストンはノースウェスタン大学がある街でホーランドから車で3時間半くらい・・・・
ノースウェスタン大学 |
金曜日の朝、大学近くのエバンストン図書館の会議室に11人のセラピストが集まった。参加者は全員が国際トラウマ・解離研究学会 (International Society for the Study of Trauma and Dissociation) のメンバーである。
私は1995年からのメンバーで、日本から来たと言うと、皆が歓迎してくれた。男性は私たち二人だけで、残りは女性セラピストだった。
やがて、セラピストたちの議論や症例報告が始まった。黙って聞いていると、「交代人格同士のコミュニケーションをもっと改善した方がいい」、「後ろに別の人格が隠れていると思う」、「虐待の記憶を隠している人格がいるはずだ」などという会話が耳に入る。
古い街並 |
これは、多重人格を見たことがない人には理解しにくい内容である。一人の人間が複数の人格状態をもつ多重人格は、経験と予備知識がないと、専門家でも理解は難しい。
教会 |
話が一通り終わると、皆が私に関心を向けるようになり、日本にはどんな病気があるのかと質問したので、私は社会的ひきこもりについて話した。
日本には社会に参加しない人たちがいて、日本政府は社会的ひきこもりが70万人、その予備軍が150万人いると認めていると説明・・・・
社会的ひきこもりは部屋に何年も閉じこもり、家族や友人とも口をきかないと言うと、彼らはうまく理解できなかった。そんな症例を見たことがないのだ。
今までに、他の専門家にも話したことがあるが、彼らの反応も同じである。対人恐怖を知らないアメリカの専門家はひきこもりという現象がピンとこないようだ。
ノースウェスタン大学の一角 |
しかし、私は、アメリカの多重人格の専門家はひきこもりを理解できると考えている。アタッチメント・トラウマと人格の解離から生まれる症候群として見ると、人間不信や何年も部屋に閉じこもる行動を説明できる。私自身、多重人格の治療体験があるからこそ、ひきこもりを理解できた。
帰りの寒い空 |
もし日本政府が、国際トラウマ・解離研究学会 (International Society for the Study of Trauma and Dissociation) に研究資金を提供すれば、多重人格の専門家たちがひきこもりの原因を見つけてくれるはずだ。
シカゴ・ピザ。中はチーズがたっぷり。
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調査に基づいたデータがあれば、増え続けるひきこもりを防ぐ手段と治療法が見つかる。しかし、日本政府の資金援助への道は限りなく遠く見える・・・・
残りのビザを抱えてホテルに帰る筆者 |
話は変わるが、シカゴ・ピザはとてもおいしかった。クラストにチーズがたっぷり入って、ちょっとしつこいが、シカゴへ行くチャンスがあれば試すといい。チーズが好きな人にはおすすめ。