チェックリストの最後は太宰治の「人間失格」についての質問。
- 太宰治の『人間失格』に共感するか、反発するか、あるいはあえて読もうとしない。
昭和23年(1948年)に完成した「人間失格」は、太宰治の自叙伝と言われ、現在も若者の間で人気がある。
主人公は、幼少期に仮面の自分をつくり、周りの人間に演技をしながら成長して、成人してからは酒や麻薬に溺れて自己破壊する。
「人間失格」をチェックリストに加えた理由は、多くの仮面ひきこもりが「人間失格」に共感するからである。
太宰治は、文章の至る所で、仮面ひきこもりに共通する演技性、仮面の自分、対人恐怖、親子関係の問題を描写している。
『人間失格』に共感したクライアントの言葉:
笑顔も言葉も、何もかも、作られた自分です。だから、うま
く行かなくなると表の自分が疲れるんです。いつも人に合わせる
からアイデンティティを確立できない。つまり、自分がな
い、自分がないから人に影響される、右往左往する、その結
果破綻する。(本の)主人公の気持は痛いほど分かる・・・