2013年4月29日月曜日

子どもを拒絶する母親(3/5)親子関係の逆転

クライアントの母親は自分の母に愛されていないと、すでに述べた。

母親は子どもの頃から愛情に飢えている。それゆえに、自分の子どもが生まれると、母親は「この子は私のもの、この子だけは私の気持ちを分かってくれる」と期待するケースが多い。


こうして親子関係の逆転が始まる・・・


依存母からの卒業~母親の精神的支配から逃れたい娘達へ送るマニュアル~
http://izonmama.com/izontop.htm


母親は子どもを可愛がるが、それは「私を愛して欲しい」、「私の気持ちを分かって欲しい」からである。母親は、自分の母から得られなかった愛情を子どもに求める。子どもを大切にするように見えるが、背後には子どもは私のために生きるべきという気持ちが隠れてる。


子どもを夫代わり、母代わりにする母親は、子どもが自分から離れるのを恐れるために、巧妙に子どもの心を支配する。

母親のマインドコントロールをかけられた子どもは自分の人生を持てなくなり、自分のことを考えたり、自由に生きようとすると罪悪感を感じる。

子どもが母を大切にすべきという文化の日本では、子どもの人生を奪う親子関係の逆転がとても多い・・・



2013年4月28日日曜日

子どもを拒絶する母親(2/5)母に愛されなかった母親

ひきこもりクライアントの母親の多くは、自分の母に愛されなかった生育歴がある。

母は私を嫌っていた、母は私に興味が無かった、母は私よりも弟の方が可愛かったなど、母親は一人ボッチの子ども時代を過ごしている・・・



母親に愛されたい娘たち ヒプノセラピーと出会い気づいた23のこと。
http://www.7netshopping.jp/books/detail/-/accd/1102881845


母親は、親にメイワクかけるのを恐れて、自然にガマン(感情マヒ)の良い子になる。これは、母に甘えたり、一緒に遊んだり、頼ったりしない子ども時代を過ごすという意味である。

母に甘えたことがない母親は子どもの気持ちが分からなくなる。だから、自分の子どもが怒ったり、要求したり、ワガママを言うと、どう対応していいか分からない。

自分がガマンしたことを子どもが要求すると、母親は腹がたって、イライラを抑えられずに、子どもを叱ったり、ムシしたり、不機嫌になったり、怒ったりする。

とにかく、子どものワガママ、自己中心性、自由さに腹が立つのである。

しかし、その子どもは「お母さんは僕を嫌っている」、「お母さんは私よりも弟の方が可愛いんだ」と感じている。

悲しい現実だが、母に愛されない体験は母から子どもに連鎖する。



2013年4月26日金曜日

子どもを拒絶する母親たち(1/5)ふん、そんな子どもはいらないよ。

社会的ひきこもりも、潜在的ひきこもりも、母親が子どもを拒絶するために発生する病気である。子どもを愛せない母親には幾つかのタイプがある。

まず最初は、子どもを所有物と考える母親のタイプ。外面はいいが子どもには厳しい傾向がある・・・


母親は、子どもが自分の幸福のために生まれたと勘違いしている。そして、自分が生んだ子を自由にしていいという身勝手な錯覚がある。

しかし、現実は子どもの方がもっと身勝手である。泣いてばかり、要求ばかり、ワガママばかり、母親の言うことなんか聞きはしない。

母親にとって、子どもは自分のことばかり考える自己中心的な存在である。子どもは母親のことを少しも考えていない・・・

母親は、子どもに裏切られたと感じて、「ふん、そんな子どもはいらないよ」という拒絶の気持ちがわいてくる。あまりにもイライラすると「殺してやる」という気持ちにさえなる。

このタイプの母親に育てられた子どもは、人に嫌われるのを怖がる大人に成長する。そして、自分よりも周りの気持ちを大切にする・・・

なんのことはない、子どもは母親の子ども時代と同じ子どもになるのだ。母親も、子どもも、誰にも愛されないと感じている。



2013年4月17日水曜日

感情マヒ(5/5)自分が無い

感情マヒは複雑な症状を生む・・・

道化を演技する人が、真の感情を感じると、人が恐くなる。

相手に合わせる人が、真の感情を感じると、人と一緒にいるのが辛くなる。

もっとひどい感情感情マヒの人は、何も感じなくなり、自分が消えてしまう・・・






自分が無い人は、人にどう思われか考えながら行動する。人が良いといえば良いし、悪いと言えば悪くなり、自主性はゼロとなる。

自分が無い人は、善悪は分からないし、したいことが分からないし、何も決められない。自分でも嫌だが、他人の考えが心の中にすっぽりと入ってくる。

自分が無いと人を愛せない。異性を愛せないし、子どもを愛せないし、友人を愛せない。そんな人は、相手に嫌われないように気配りするが、しかし、誰とも親しくなれない。

自分が無い人は与えられた役割りを忠実に果たすのを好む。しかし、恋人や自分の子どもからロボットのように見られる時がある。

こうした症状は幼児期に始まる。ひきこもりのカウンセリングをすると、必ずと言っていいくらい、ショックで感情マヒした幼児が見つかる。母に拒絶された自分である。







2013年4月6日土曜日

感情マヒ(4/5)気配りのしつけ

Aさんは、子どもの頃から「女の子は周りに気配りしなさい」としつけられた。母親は、Aさんが周りの気持ちを考えないで行動すると、厳しく叱ったり、叩いたりした。

Aさんは、人に気を使うのがあたり前になり、周りの空気を読める女性に成長したが・・・



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http://youngasalexa.wordpress.com/2012/10/20/reading-the-air-2/



しかし、ある日、Aさんは人のためだけに生きる自分に気がついた。

自分の気持ちを大切にするのはワガママ、好き嫌いを言うのは悪いこと、周りの気持ちを優先するのが美徳と信じるうちに、自分が無くなったのである。

Aさんをカウンセリングすると、人間の生活がよく分からないだけでなく、人を恐れている自分が見つかった・・・

気配りのしつけがAさんの感情をマヒさせたのである。