2014年2月5日水曜日

グループセラピー(2/4):心の中の母が語る

仮面ひきこもりのグループセラピーでは参加者の心の中の母親が現われて話をする・・・

心の中の母親は本人とは別の人格状態のこと。幼児期に患者の心に入り込んだ母のイメージである。

ある男性の母親は幼女になり、親が恐くて本当のことを言えなかったと、涙を流して語る。彼女は感じたことを言うと見捨てられると思い込んでいた。でも、参加者が話を聞いてくれたと喜んだ・・・

別の母親は、嫁いだら周りは敵ばかり、夫の兄弟、姑、家事をするのが当然の世界だったという。夫はアテにならない。でも、自分の子供(クライアントのこと)だけが受入れてくれた。誰にも愛されない母にとって、子どもだけが自分を愛する人間だった・・・





さらに別の母親はあの子を育てるのは大変だったと不満を語る。本当は生みたくなかった、あの子は可愛くなかった、いなくなって欲しかったと本音を語る・・・

参加者は心の中の母が話しても驚かない。自分の心の中にも同じ様な母親がいるからだ。

母たちの話を聞いて、参加者は仮面ひきこもりは母に心を支配される病気だと理解する。そして、母親の癒しが病気を治すと気づく・・・

グループセラピーは心の中の母親にとって大切な時間である。母親がグループで発言すると「自分が人間に認められた」と感じるからだ。

グループセラピーでクライアントの別の人格が話をするのは、カウンセリングの世界では珍しいことである。この現象は仮面ひきこもりが解離性の病気であることを示している。




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