2014年5月15日木曜日

心の母(6):刑務所のような世界

主婦のEさん。心の母が見つかるとうつになった。体が鉛のように重い。昭和23年に嫁いだ母親の話を聞くと、当時の旧家の雰囲気が見えてくる。そこは「支配者」に従うだけの息苦しい牢獄である。母親が子どもを愛せる環境ではなかった。


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親にメイワクをかけないこと。(家のために)決められたことをすること。周りがどう思うかで生きること。集落の中では世間体がすべてだった・・・

高校を卒業して、就職、見合い、結婚,子どもを育てる。結婚は親がすすめた相手を選んだ。母に喜んでもらえると思ったから・・・



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でも、結婚生活は泥沼。嫁ぎ先は姑が支配しており、夫は親に逆らえなかった。私を助けてくれず、相談すると責めるだけ。夫は先祖の墓を守る役割りがあり、(私はやるべきことを)一生懸命やるしかない。失敗すると許してもらえない。私は周りに監視される使用人・・・

言う通りにしないと怒られる。そうしないと生きれなかった。
いつもビクビクしてガマンばかり。さびしくて、誰にも認められず、仕方ないと言われて、忙しくするうちに寂しさを忘れる。これが私の人生・・・

子どもが産まれると周りに認めてもらえると思った。でも、それは最初だけ。子どもの世話は特に嫌いだった。子育ては何が起きるか分からない。子どもの失敗、ケガ、すべて私の責任となる。子どもは私にメイワクをかけるだけ。一人で静かに暮らしたいのに・・・

子ども(Eさんのこと)に感情があるのを知らなかった。子どもとどう接して良いか分からない。自分の子どもをカワイイとは思えない。ヤメテ、ヤメテ、大人しくして、ジッとして動かないでほしい。手がかかるのが嫌・・・

子どもは親の所有物。親の言うことを聞くのはあたりマエ。親の役に立たない子どもはいらない。そう思っていた・・・

自分がこんなに孤独とは知らなかった。いつも逃げていた。自分がないから自分の考えがない。そんな自分を嫌いで隠していた。人には自分を見せられない・・・



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